観客数増加で人気復活のMLB、米メディアが「大谷効果」と分析!

 バスケットのNBA、アメリカンフットボールのNFL、アイスホッケーにNHL、新たに加わったサッカーのMLSと並び、米国の5大プロスポーツリーグに数えられるMLB。しかし、MLSの観客動員数は近年右肩上がり。競技人口も増えており、現地ではいつしか「野球人気はサッカーに抜かれたか!」との声も耳にするようになった時期もあった。

 だが、最近は米国での野球人気が復活しているようだ。米国のスポーツ事情に詳しいジャーナリストは次のように分析する。

「MLBの平均観客数のピークは07年の3万2785人。そこから下降線をたどり、18年以降は全公式戦の累計入場者数が6000万人台に割り込みましたが、23年には7000万人台に回復。24年はさらに観客数を増やし、今シーズンも4月は17年以来の最高の観客動員で3年連続の増加が確実視されています」

 なかでも平均観客数が特に多いのは、ドジャースを筆頭にヤンキース、フィリーズ、パドレス、ブレーブスの5球団。昨シーズンのホームゲームはいずれも4万人を超えており、トップのドジャースは4万8657人。2位ヤンキースよりも約6761人も多く、圧倒的な動員力を見せつけている。

 スポーツを含む米国の現代史に詳しいテンプル大のブライアント・サイモン教授は、現地の大手スポーツメディア「Sportsnaut」で人気回復の理由についで言及。「野球はスターがいる時に成功を収めている」と語り、そのうえで「大谷翔平とジャッジに率いられた伝説的なスターの時代がやってきた」と両リーグで本塁打争いの首位に立つ2人がけん引役になっていると指摘する。

 実際、ドジャースもヤンキースも今シーズンは昨年を上回る動員数で、敵地でのビジター戦でもスタンドが満員になることも珍しくない。さらに子供たちの間でも野球人気が復活しているという。

「その最大の理由は、やはり大谷選手の存在。リーグ最高の打者の1人にして、サイ・ヤング賞を狙える投手というヒーローぶりは、NBAのスーパースターだったマイケル・ジョーダンの全盛期と比較されるほどです」(前出・ジャーナリスト)

 タイトルの獲得など好成績を収める一流選手は数多くいるが、日本の至宝はそんな次元をとうに過ぎ、MLB全体と米国のベースボール人気を支える存在となっているようだ。

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